お墓をおまとめして、インド産ベルガムの墓石を建立。平戸市紐差町にて

長崎県平戸市をはじめ、松浦市、波佐見町など長崎県北部で墓石のお仕事をさせていただいております、中村石材工業の中村です。これからこちらのブログで、当社の情報や施工のようすなど、様々なことを発信して参ります。どうぞよろしくお願いいたします!

初回の今回は、平戸市紐差町にて、たくさんのお墓をおまとめして、インド産ベルガム(M13)の墓石を建立させていただいた施工例をご紹介いたします。

 

 

平戸市紐差町 建立(お墓のおまとめ) インド産ベルガム(M13)

 

私の祖父の時代にお墓を建立させていただいたお客様から、お墓のご相談をいただきました。おじいさまが亡くなられたことを機に、お墓を新しくしようかというお話になったそうです。

 

平戸市紐差町にあったお墓です。たくさんの古くからのお墓が並んでいます。手前の比較的新しいお墓が、祖父が建てさせていただいたお墓でした。地元鷹島で採れる阿翁石(あおういし)で作られていて、建てられてから4,50年ほど経っています。長い間大切にお参りいただいています。

「阿翁石」についてはこちらをご覧ください>>「阿翁石(鷹島石)の墓石

 

全部で12基の夫婦墓です。お客様は、たくさんのお墓をまとめてひとつにすること、洋型のお墓にしたいこと、古いお墓の棹石だけは残したいというご希望をお持ちでした。ご希望を詳しく伺ってお打ち合わせの上、工事が始まりました。

 

基礎工事を行っています。まずは、工事の前にお寺様に閉眼供養をしていただいてから墓石をすべて取り外して、土葬の仏様の掘り上げを行いました。今回は全てのお墓が土葬の仏様でした。その後、地面を掘り下げて転圧して地盤を固め、グリ石を敷いて木枠の中に鉄筋を組み、コンクリートを流し込む準備をしています。中央の木枠は納骨室の下にあたる場所で、土のまま残します。

 

コンクリートを流し入れたら、しっかりコンクリートが固まるまで養生期間を置いて、基礎が完成します。ご親戚の方々も周りにお墓を建てるご予定があるため、もともとお墓があった場所よりも少しコンパクトに基礎を打ってお墓を建てます。

 

お墓の据え付けが始まっています。先に周りのブロック積をしてから、お墓の一番下の地石を設置したところです。ブロックは、ご希望の色合いのものを使用しました。

 

地石の上に納骨室の壁石やスラブ(天板)、お墓と五輪塔の台座を据えました。天板は一枚ものの大きく立派な石を使用しています。納骨室の手前の蓋石等には金箔を貼った彫刻があり、作業中に傷やほこりが入らないように養生しています。

 

法名塔と棹石、五輪塔を設置、お地蔵様と物入れ、お墓の後方に古い棹石を設置して完成です。

 

幅のある納骨室上の中央にお墓本体、左に法名塔、右に五輪塔を設置しました。正面文字やご法名、納骨室前壁の彫刻などは、すべて金箔を入れた華やかな造りです。インド産ベルガム(M13)という濃いグレーの御影石を使用しました。

 

今回のお墓は、洋型でも「家名を縦に入れたい」というご希望があったため、少し縦に長いタイプの棹石をご提案しました。五輪塔は、近くのお墓にも同じようなものがあり、先祖供養のためにつけたいとのことでご希望いただきました。法名塔は、ご希望で18名の方のお名前すべてを彫刻、表面から裏面の途中まで彫られています。

 

納骨室前壁の彫刻は鳳凰です。当社の過去の施工例をご覧になってご希望いただきました。蓋石にあるのは家紋で、花立と五輪塔の水鉢にもお花の彫刻を入れました。インド産のベルガムは濃い色合いの御影石なので、金彫刻がとても映えます。平戸周辺は、金箔を入れた豪華なお墓が多いです。

 

お墓右手に水子供養のお地蔵様を設置、専用のお花立も付けています。また、後方の古い棹石は、工場で台座を作成して設置しました。お客様が調べてくださって、亡くなられた順に左から並べられています。

 

左手には、腰掛を兼ねた物入れも設置しました。ほうきやバケツなどのちょっとしたお掃除道具のほか、水道のない墓地などでは水を入れておく方もおられます。

 

お客様は、「こんなに変わるとは思わんかった!」ととても喜んでくださいました。以前はたくさんのお墓をひとつひとつお掃除されるのも大変だったと思いますが、管理やお参りのしやすいお墓になっていますので、気軽にお参りいただけるとうれしいです。このたびは、祖父がいただいたご縁で当社にお墓のご相談をいただきまして、ありがとうございました。今後、お墓のことで何かお困りのことがございましたら、いつでもご連絡ください。これからもどうぞ末永くよろしくお願いいたします。

今回は、平戸市内でのお墓のおまとめ・建立工事をご紹介いたしました。数十年前に祖父がいただいたご縁がきっかけとなったお仕事で、本当にありがたい限りです。私は2代目である父から仕事を受け継いだので、祖父とは一緒に仕事をしたことはありませんが、子どもの頃に工場で祖父の仕事ぶりを見ていた私としては、感慨深いものがありました。私も、子や孫の代にも「またお願いしよう」と思っていただけるような仕事をしていきたいと思いました。